概要
株式会社アズパートナーズ様が運営する介護付有料老人ホーム アズハイム杉並井草のご入居者様13名にお集まりいただき、粘道ワークショップを開催しました。前回、参加者の皆さんから頂戴した「部屋に作品を飾りたい」というご要望に応えるべく、今回は純白の紙粘土「雪舞」を使用し、お団子作りに取り組んでいただきました。
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紙粘土は、色付けされた小麦粘土とは異なり、真っ白な粘土に絵の具で色付けを行うのが特徴です。紙粘土に色付けを行う際、手先を使って、力強くこねないと混ざり合わないため、参加者の皆さんにとっては、良い手先動作機会になったことに違いないでしょう。いろんな色の絵の具を指先につけながら、粘土細工に熱中して取り組んでおられる姿がとても印象的でした。
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この日は、三色団子とあんこ餅を作りましたが、完成作品は驚くほどに人さまざまでした。残念ながら、今回は参加者の皆さんの楽しそうな表情をお見せすることはできませんが、完成作品を見て、素敵な笑みを浮かべておられました。
参加者のお一人が「作品を前にして写真を撮りましょう」と皆さんにお声がけいただき、全員で写真撮影してプログラムを締めくくりました。
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参加者の声
もっと難しいと思ったが、案外やさしかった。
初めてのことでしたが、みんなで作れたことが良かった。
自由に色付けできるところが大変良かったですが、早く作らないと固まる点が難点だと感じました。
難病を持っていて、手が震えるけれど、作ることができた。時間があっという間に感じるほど熱中できた。
脳活に良いと思った。もっと複雑なものを作ってみたい。
お団子を作るだけでも色々考えることができた。自分の好みの色を表現することができたのが良かった。
創意が満たされて、楽しかったです。またぜひ参加したい。
編集後記
先日、ワークショップ終了後の振り返りのお打合せにお伺いした際に、管理者の方がこのようなことをおっしゃっていました。
「ご入居者の皆さんは、コロナ禍のため、ご家族と会えなくて、寂しく辛い思いをされている。粘土細工をはじめとしたレクリエーションは、心にゆとりがあってこそ楽しめるもの。一日も早く、コロナが落ち着くのを望むばかりです。」
私は、思わず言葉を失ってしまい、「なるほど・・そうですよね・・。」としか返すことができませんでした。その言葉がずっと気になっていたのですが、参加者の皆さんが書いてくださったアンケートを見直している中で、あることに気づきました。それは、「みんなと作れたことが楽しかった。」というコメントが実に多いという事実です。
確かに、今はご家族と会えなくて、寂しく辛い気持ちだろうし、不安も増幅するばかりかもしれない。だからこそ、一人ではなく、みんなで、ものづくりに熱中する機会があっても良いのではないかと思ったのです。寂しく辛い気持ちが吹き飛ぶわけでも、不安が解消されるわけではないけど、少し心が落ち着いたり、一時的に不安を打ち消すことはできると思うのです。何よりも、一緒に取り組む中で、自分だけではない、みんな同じ思いをしていることに気づいていただけるだけで、心が楽になるのではないでしょうか。
高齢者をはじめ、さまざまな方に対して、ワークショップを行っているわけですが、参加者に対して、何を価値として届けたいのか・・今一度考え、プログラム内容を見直していくことにしたいと思います。(大野)