連載33回目は野村が担当します!
5月も後半に入り、少しずつ初夏らしい空気を感じるようになってきましたね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今回は、山形県鶴岡市で開催した、少し特別なワークショップについてお話ししたいと思います!
今回のワークショップは、建築士さんと一緒に街歩きをし、そのあと実際に見て気になった建物を紙粘土で作品にしてみよう!という企画でした。
会場は、鶴岡市にある「茶菓ダイクマチ」さん。
主催してくださった中村さんご夫妻が、前日からたくさん鶴岡の魅力を案内してくださいました。
地元の食材をふんだんに使った郷土料理のお店に連れて行っていただいたり、地元出身の画家の作品が見られるギャラリーへ行ったり、夜には焚き火を囲みながら美味しいご飯をいただいたり…。

宿も、水田の上に建つとても素敵な宿を用意してくださっていて、気づけば「出張」というより、ほとんど旅のような時間を過ごしていました。

翌朝は、中村さんが宿まで迎えに来てくださり、そのまま集合場所へ。
参加者のみなさんも続々と集まり、いよいよ街歩きがスタートしました!

今回街歩きを案内してくださったのは、主催者の中村哲也さんと建築士の魚本大地さん。
旧西田川郡役所や旧鶴岡警察署庁舎、鶴岡カトリック教会などのレトロな建築から、SANAA設計の荘銀タクト鶴岡のような現代的な建築まで、さまざまな建物を巡りました。


建物をただ見るだけではなく、なぜこの形になったのか、どこが特徴的か、他の建築との関係性、などをお二人から聞きながら歩く時間はとても贅沢で、街そのものの見え方が少しずつ変わっていくような感覚がありました。
特に印象的だったのが、鶴岡出身の大工棟梁・高橋兼吉さんのお話です。明治時代に疑洋風建築や寺社建築をたくさん残した高橋さんの功績は大きく、今の鶴岡の街の景観にも大きく関わっていたことがわかりました。
そしてその仕事が100年後の今の街と人々にも受け継がれていることを知り、ものづくりに携わる者として身が引き締まる思いでした。

街歩きを終えたあとは、今回のワークショップ会場でもある「茶菓ダイクマチ」さんへ。
お昼には、おいしい岩海苔が巻かれたおにぎりと、この時期ならではの孟宗汁(なんと茶菓ダイクマチ店主・中村のり子さんのお手製!)をいただきました。
柔らかい孟宗竹と、豚肉や油揚げの旨味がたっぷりで、本当においしかったです…!
お昼を食べながら魚本さんとお話ししていた時、「鶴岡は冬が本当に厳しいので、春が来た時の喜びが大きい」という言葉がとても印象に残っています。
雪が溶け、山菜やたけのこが芽を出し、冬の間お休みしていたお店も一気に開き始めるのだそう。
春になると街全体が少し明るくなるような感覚でしょうか。
前日から鶴岡の春の食材をいただき、地元の方々とお話してなんとなくわかるような気がしました。

そして、お昼を食べ終えたらいよいよワークショップ開始!
今回は、スタイロフォームという発泡スチロールのような軽い素材を芯にして、その周りに紙粘土をつけながら建物を作っていきました。
最初は素材や道具の扱い方を実践しながら説明し、そのあと各自で作りたい建物の形を探っていきます。
最初は少し戸惑っていた方もいましたが、粘土をつけ始めるとみなさんものすごい集中力!2時間半の制作時間があっという間に過ぎていきました。

建物全体を作る方もいれば、お気に入りの一部分を切り取る方もいて、表現方法も本当にさまざま。
近代的な建物のガラスに映り込むレトロ建築を作る方や、空や緑まで含めて作品にする方もいて、私たちも見ていてとてもワクワクしました。
完成した作品が並んだ景色は本当に圧巻で、これを私たちだけで見ているのはもったいない…!と思ってしまうほど。
午前中に実際に街を歩き、建築を見て、話を聞いたからこそ、それぞれの視点やこだわりがぎゅっと詰まった作品になったのだと思います。





また、ワークショップの途中には山形新聞さんも取材に来てくださり、記事にも掲載していただきました!

普段は子ども向けのワークショップを開催することが多いのですが、今回改めて、大人でも夢中になれるものづくりの可能性を感じました。
そして、完成した作品を囲んでみなさんの満足そうな顔を見ていたら、この街で暮らしてきた方々が、自分たちの街を自分の手で形にした時間だったんだなあとじんわり感じました。
ご参加いただいた皆様、主催してくださった茶菓ダイクマチの中村さん、魚本さん、ありがとうございました!!
またお会い出来る日を楽しみにしております!